お兄ちゃんです。

「あ、あたし重たいのに・・ほんとにごめんなさい。」

「いや軽かったっすよ」

「うううそ!!絶対重たいですよ!!」

鮎川翔太くんがきょとん顔になる。
勢い余ってしまった・・・。
あぁもう恥ずかしい・・。


「先生がただの寝不足だって言ってたよ」

「寝不足・・・」

昨日のオールがこんなに響くなんて・・・。
あたし歳とったのかな。

「お守り、作ってんでしょ??」

「え!!」

心臓が一瞬止まりかけた。
体が一気に緊張し始める。

なんで知ってるの!?
鮎川くん何者!?


鮎川くんのすっとした目がさらにすぅっと薄くなる。
それがなんだかすごく妖艶でドキドキしてしまった。


「持田さんに聞いた」

「聖子ちゃんから??」

あ!!聖子ちゃん大丈夫かな。

「持田さんは今授業受けてるよ。大丈夫」

なんだか心を読まれた。

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