お兄ちゃんです。
「鮎川くんって、不思議な人だね」
「よく言われる。あ、あゆちゃんでいいよ。みんなにそう言われてるから」
「あ、あゆ・・ちゃん??」
「うん」
まったく表情がない。
すごく淡々としてる。
やっぱり不思議ちゃんだ。
鮎川く・・あゆちゃんは。(笑)
「大丈夫。お守りのこと、あっきーには言わないから」
「あっきーって??」
「瀬田あきら」
あ、あっきーって。(笑)
思わず笑ってしまう。
「あっきーって呼ばれてるんだね。瀬田くん」
「いや。俺だけが呼んでる」
「仲いいんだね」
「幼稚園から一緒」
「幼馴染みなんだぁ!!」
「んー。そんなかんじ」
鮎川くんがツンツンした髪を触りながら、ふいに入り口の方をみた。
あたしもつられて入り口をみる。
「保護者の方、来たんじゃない??」
「保護者の方??」