お兄ちゃんです。
だんっ
「ゆうちゃん!!」
ものすごい音と叫び声がした。
あたしと鮎川くんは目を合わせながら、固まった。
「高原さ〜ん。保護者の方が来ましたよ」
少し遅れて保健室の先生の声がした。
保護者の方って、まさか・・・・。
「ゆうちゃん!?大丈夫??」
がらっと勢いよくカーテンが開かれた。
あまりに勢いよく開けたせいか、カーテンを吊っている銀の淵がゆらゆらしてる。
「大丈夫だけど・・」
あさひくんはギラギラしていた。
鼻息も荒く、どこか怒っているみたいだ。
こんなあさひくん見たことない・・・。
あさひくんのギラギラした目が鮎川くんに移る。
鮎川くんは相変わらず無表情。
「ゆうちゃんの側にいてくれてありがとう。ご迷惑をお掛けしました。」
あさひくんが鮎川くんに丁寧にお礼をした。
鮎川くんが無言で小さくおじぎをする。
なんか変な空気が流れている。
「高原さん、今日は帰りましょう。保護者の方も来てくださったし」
保健室の先生があさひくんの後ろからひょっこり現れた。
保健室の先生は小さくて若いかわいい先生。
それに声もアニメ声だからよくみんなにからかわれてる。
って、それはどうでもいいや。