お兄ちゃんです。

あたしの気持ち。


「・・・支度するから、あさひくんは外で待ってて」

「でも・・・」

あさひくんが鮎川くんを見つめながらぐずった。

なんとなく言いたいことはわかるけど、
とりあえず出ていってもらわなきゃ。
こんなの恥ずかしいし。

「いいから!」

あさひくんをくるっと振り向かせて、背中を押す。
あさひくんはちらっとこっちを見ながら保健室から出て行った。

やっと行ったよ。


「お父さんにゆうちゃんって呼ばれてるんだ。」

「お!お父さん!?」

「違うの??」

あたしのお父さんが大学生なわけないじゃないっ!?

鮎川くんがきょとんとしている。
あたしはめいいっぱい頭を振った。

「ちがうちがう!!」

「お兄ちゃん、でしょ??」

保健室の先生がにこっと笑った。

「まぁそんなかんじです」

やっぱりお兄ちゃんとはまだ言いたくないや。
てゆうか、あさひくん先生にお兄ちゃんですって言ったのかな。
まったく・・・。


「先生がお兄ちゃんって言うと萌える」

鮎川くんが真顔で言った。

「やめなさい。」

先生がすごく低い声で言い放った。
あたしはなんだかおかしくって、笑っていた。



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