お兄ちゃんです。


─────────

「今日はゆっくり休んで」

そう言われて無理矢理ベッドに寝かされてしまった。
あれから何時間たったんだろう。
お母さんはもう行ったかな。

カーテンを開けると、外は真っ暗だった。

なんとなく頭がむずむずする。
ふと、あさひくんの掌を思い出す。

どうしてだろう。
心の奥がぎゅっとする。
最近あさひくんのことを考えると、心がぎゅうっと詰まるかんじがする。


ピピピピピ♪ピピピピピ♪


枕のとなりで携帯が鳴っている。
すばやく画面をみると、みちだった。
通話ボタンを押す。


「もしもし・・・??」

「あ!!もしもし!?ゆうひ!?あんた大丈夫なの!?」

きんっと耳をつんざかれ、携帯を耳から少し離した。

「う、うん。大丈夫、大丈夫だからもうちょっと声量を落として」

「あ、ごめん!!」

「みち、」

「ん??」

「心配してくれてありがとう」

「いんや。それよりあんま無理しないでよね」

「うん。しない」

「なら良し!!」

「ねぇ、みち」

「どした??」

「ずっと、言おうと思ってたんだけどね」

うん、と静かな声がした。
少し緊張する。
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