お兄ちゃんです。

「もしかしたらあたしは・・・お兄ちゃんって思いたくないのかもしれない」

あたしは・・・・

「お兄ちゃんになっちゃったら・・・」

あたしは・・・

「お兄ちゃんに、なっちゃったら・・・好きになっちゃ、いけなくなる、から」

がたん、と音がした。
頭がぼうっとして、なにが起きたか自分でもよくわからない。

今、あたしなんて・・・??


「あさひ・・さんのこと、好きなんだね」

「え!?」

あたしがあさひくんを好き??

「そうなんでしょ。あさひさんのこと、恋愛対象として好きなんでしょ」

「あ、ああたし、今なんて!?///」

どっくんどっくん心臓が脈を打つ。
壊れちゃうんじゃないかってくらい。
がちがちに身体が緊張してる。

「ゆうひがあたしにそう言ってくれたんだよ」

「あたしが・・・」

「ゆうひ、今日疲れてるでしょ。ごめんね電話して」

「あ、いや大丈夫。あたしこそごめん。ありがとう、話聞いてくれて」

「いやいやこちらこそ。いい話聞けて幸せいっぱいだわ。ごちそうさま〜」

「みっみち///」

じゃあね、と電話が切れた。
ツーツーと携帯から流れる音を聞きながら、あたしは目を閉じた。

ゆっくりとさっきの言葉を思い出してみる。
またどっくんどっくん聞こえてきた。


「好き・・・なのか」


なんとなく言ってみる。
ほんとにこれが本音なのだろうか。
わからない。
けどすごく気持ちがすっきりする。
そしてどこか嬉しくも感じる。

なんだろ、このかんじ。



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