お兄ちゃんです。
「俺、ゆうちゃんのこと好きだよ」
「え!?」
思わずあさひくんを見上げた。
真剣な眼差しとぶつかる。
「ずっとずっと会いたかったし、ずっとずっと一緒にいたかった。でもね、」
心臓の音がだんだん静かになっていく。
あさひくんの言葉を聞いていくうちに、なんだか嫌なドキドキに変わっていく気がした。
「それはゆうちゃんが俺を想ってくれてるその気持ちとは違うかもしれない。きっと、違うんだ。」
気がついたらあたしは冷静になっていた。
辛い現実を見ているにも関わらず、心はこんなにも落ち着いている。
「ゆうちゃんが素直に言ってくれたから、俺も素直に言いたい。でも嫌なら、嫌っていってくれていいから」
あたしはきちんと正面からあさひくんの視線を受け止めた。
「ちゃんと聞きたい。言って」
あさひくんもあたしの視線を受け止めてくれた。
ひとつ、頷いてあさひくんは話し始めた。