お兄ちゃんです。

「高原、あゆにゆうちゃんって呼ばれてるのか??」

瀬田くんがきらきら笑った。
あたしも笑う。

「初めて呼ばれたけど。瀬田くんはあっきーなんだね」

「あいつが勝手に呼ぶんだよ///」

瀬田くんが照れくさそうに鼻をかいた。
この仕草、誰かもしてた。


「俺もさ、高原に話があるんだ。」

「え、なに??」

「高原からでいいよ」

「あ、うん。あのね、もうすぐ大会だからと思って・・・」

鞄からお守りを出して、瀬田くんに渡した。

瀬田くんは一瞬びっくりしてからすぐにきらきらした笑顔になった。

「ありがとう!!もしかして、手作り??あ、ちょっと待ってて」

瀬田くんは嬉しそうに受け取ってから、すぐにエナメルにつけてくれた。
薄汚れたエナメルに真新しい白いフェルトのお守りが、ちょっと眩しく見えた。

よかった。ちゃんと渡せて。


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