お兄ちゃんです。
「ゆうちゃん?」
びくっ
振り向くとあさひさんが後ろに立っていた。
そんなに長い間ぼーっとしてなのかな。
あさひさんは心配そうな表情をしている。
「あ、すいません!すぐよそりますね」
「ゆうちゃん」
いそいそとごはんをよそる。
「ゆうちゃん、」
あさひさんはなんであたしの名前を呼んでるんだろう。
よくわからない、
けどなんだか逃げ出したくなった。
心配そうなあさひさんを見てると、
逃げ出したくなる。
いそいでごはんをよそって、
素早くあさひさんに渡した。
あさひさんは何かを飲み込むようにして、
ごはんを受け取りそのまま行ってしまった。
その後ろ姿を見ながら、
大人ってなんて身勝手なんだろう
と思った。