お兄ちゃんです。
集団の中からものすごいスピードで瀬田くんが出てきた。
「あっきーって叫ぶなよ///」
どっと笑いが起こる。
みんなが一斉に「あっきー」と呼んだ。
瀬田くんがはずかしそうに、「やめてくださいよ!!」とあくせくしている。
どことなく楽しそうだ。
みんな笑っている。
瀬田くんはみんなに愛されてるんだなぁ。
こんな瀬田くん初めてみた。
「あっきーあっきー」
鮎川くんが瀬田くんの肩をつんつんした。
瀬田くんがむすっとした顔で振り返る。
「お前が呼ぶから、先輩たちにまでっ///」
「まぁまぁ」
「まぁまぁじゃっ」
鮎川くんがあたしを指さした。
瀬田くんの動きがぴたっと止まる。
「たっ高原///来てたの??」
「うん。ついさっき」
「うわぁ〜見られたのか///」
「あっきーあっきー」
鮎川くんの目がすっとなる。
瀬田くんが一つ頷く。
「道野原、悪い。ちょっと高原借りていいか??」
「おうよ!!」
みちがにやっと笑う。
瀬田くんがふ、と笑った。
あたしはますますわからなくなった。