お兄ちゃんです。

訳がわからないまま、集団からすこし離れたところまで来た。
人通りが少なく、静かだった。
すぐ近くに大きな山がいくつもある。
透き通る青い空と重なってすごく綺麗な景色だ。


「来てくれて、よかった」

瀬田くんがきらきら笑った。
あたしも笑い返す。

「今日はちゃんと瀬田くんのこと見てるからね!!一生懸命応援する」

って、なんかあたし変態みたいじゃない!?てか意味わかんないし!!

あわあわしていると、瀬田くんがふわっと笑った。

「じゃあちゃんと見ててくれよな」

──────あ、違う。

・・・・え??なに、今の!?
なにが違うんだろ。


「俺、高原が見ててくれたらなんでも出来る気がする」

「あたし、そんな力ないよ!!」

瀬田くんがあははと笑う。

「そうじゃなくて。高原がいるから頑張れるんだ」


あたしがいるから??
どうして??


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