お兄ちゃんです。
「すごいなぁ」
「もうすぐノック始まるかな」
みちが電工掲示板に目を馳せながら言った。
「ノック??」
「試合前のノック。瀬田くんのかっこいい姿見れるかもよ」
ぎくっとした。
みちはわかって言っているのだろうか。
それとも知らないのかな。
だけどちゃんと言っておいた方がいいよね。
よし、言おう!!
「あのね、みt「もしかして応援ですか〜??」
横から突然声をかけられた。
あたしの声が見事に遮られてしまった。
声のする方に振り向くと、帽子を被ったすらっとした女の子がこちらに走ってきていた。
「涼宮さんだ」
みちがぺこりとする。
あたしも吊られてぺこりとした。