お兄ちゃんです。



その後、お母さんは夜の仕事に出かけていった。

あたしとあさひさんを残して。


気まずい・・・
なんて気まずいんだ。
家事もお風呂も全部終わり、
後は寝るだけ。
だけどまだ8時だしテレビでも見ながらぐだぐだタイム!!
・・のはずが、あさひさんがいるせいでぐだぐだどころか
あせあせだ。

ものすっごい気まずい。


無言のまま2人でじーとテレビを見つめる。
お笑い番組だと言うのに、
なぜか笑えない。
笑いずらい空気間がそこにある。


・・・もう堪えられん!!



「あのっ・・・あたしコンビニ行ってきます」

突然立ち上がったあたしを見上げ、あさひさんも立ち上がった。

「じゃあ俺もいこっかな」


ぅえええええ!!!ちょいちょい待てえええい!!!

予想外の言葉に思わずあたふたする。
あぁもう・・・
なんとかやんわり断んなきゃ。


「あ、いや大丈夫です・・やっぱり明日買いに行こうかな・・あはは」

「行かないの?」

「あ、でもあさひさん行くなら行ってきていいですよ!!あたし留守番してますから!!」


あぁもーう!
これじゃあなんだか避けてるのがバレバレだよ。

どことなくあさひさんの表情が悲しげだ。
やっぱりわかっちゃうよね・・・。


「ゆうちゃん」

突然あさひさんに名前を呼ばれる。
びくっと心臓が跳び跳ねる。
また、逃げたくなった。


返事の変わりにあさひさんを見つめた。




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