スノー*フェイク 【番外編】
「…んっ、は…っ…」
『っ!!』
え、えええろいよ先生!
あまりの艶やかさに呆気に取られ、あたしは思わず唇を離した。
『(うわ、心臓破裂しそう…!)』
どんな顔して先生と向き合えば良いかわからなくて、とりあえず思いっきり顔を背けた。
…先生の視線が、痛い。
「て、てめぇ…!」
して欲しいって言ったくせに、蕪城先生の顔はもう赤を越えた赤色だった。
え、なんかしてやったり?
『あはははっ!蕪城先生、照れすぎでしょ!』
涙が出てくるくらい笑い転げていると……蕪城先生の口元がまた、ひくり。
わかりやすく、引き攣った。
「……覚悟しろよ」
どさっ
『………ぁ、えっ…?』
背中に当たるのは、ひんやりと冷たい机。
視界いっぱいに広がるのは、白と灰色に塗り潰された天井。
え、あ、な、え、え、え、は、ええ、え?
『か、かか蕪城せ』
「名前呼びはどうした。ん?」
『せ、先生だって…!』
「…春姫」
ぞく…っ
『ぁ、ひぅっ…!』
み、耳元で低い声出さないでよっ…!