アイドルな彼との恋語
「しかしホントすごい人だなー。さすがファイターズ。迷子にならないよう手でも繋いどくか?」
「私、そこまでお子様じゃありませんから」
「えー?さっき迷子になるかと思ったーって泣きついてきたのはどこのどいつ?」
「う、うるさーい!」
そんな風にからかわれながら私たちはホールの中へと入った。
席は今回は最前列じゃなかったけど、とても見やすい真ん中だった。
なんて言うか、気が利いてるというか…。
私にそこまでして歌う姿を見せたいのかなリンは…。
……て、それは自惚れすぎか。
「へー。結構いい席じゃん。川口って運がいいんだな」
「そうだね…」
私のおかげじゃないけど…。