アイドルな彼との恋語
「か、川口、何があったかわかんねえけど、とりあえず落ち着けって」
八木橋くんが私を宥めるかのように肩に手を置いた。
そうよね。
いきなり叫んで私、バカみたいだよね。
周りにあまり人いなくてよかった…。
「おい」
え…?
「俺の女に気安く触んじゃねぇよ」
うそ。
なんで。
この声…。
「り、リン!?」
そこにはコートを着て帽子を被っただけのリンの姿があった。
30分前まではあの大きなステージでライブしてた超本人が、なんでこんな駐車場の辺鄙なとこにいるの!?