アイドルな彼との恋語
「お前が言葉にしねぇとわかんねえっつったから言ったんだろうが」
そ、それはそうだけどっ。
でも、こんな急に言われるとは思ってなかったっていうか…。
ていうか、なんで私なの?!
「リンの周りには私よりもずっと若くて綺麗な子がたくさんいるでしょ?なのになんで私なんか…。
私なんて、ただの時代劇オタクで、田舎者で、綺麗じゃないし、色気とかそういうのも全然、全く持ってないのに…」
魅力なんて何もない。
リンに好かれる要素なんて一つもないのに…。
「確かに最初は本気じゃなかったかもな。…けど、お前は俺の〝音楽〟を変えた。俺にとっては好きになる理由なんざ、それだけで充分だ」
私が、リンの音楽を変えた…?
いつ?
私、リンに何もしてないよ!?
むしろリンの方が私に色々してくれて…。
私はリンに何も返してないよ。