アイドルな彼との恋語
「何突っ立てんだよ。ほらこっち」
「え、う、うん…」
リンに引っ張られながらエレベーターに。
うううーっ。
エレベーターも超キレイだし、広いしーっ。
もう帰りたいよーっ!
しかもさっきからリン全然喋らないし…。
気まずいんだけどっ。
でも……。
それを言うなら私もか…。
リンに聞かなきゃならないこと、いっぱいあるのに。
どうして私をライブに呼んだの?
どうして私なんかをむかえにきたの?
どうして、私、今、リンの隣にいるの?
そんな疑問があの日から離れない。
忘れようとしても、忘れられない。
どうして……。
だけど、言いたいことも、聞きたいことも何も言えないまま、私はリンの泊まる部屋まで来てしまった。