君を想うとⅢ~True love~
そう彼に笑いかけた瞬間。
「…伊織……。」
しゅーちゃんは驚いたような目をして私を見つめる。
「大丈夫。私はしゅーちゃんと出会えて幸せだと思ってるよ?
だからそんな寂しい顔しないで?」
「……。」
しゅーちゃんは、ただまっすぐに私を見つめて
私の話を聞き入ってくれている。
きっと、しゅーちゃんにも思う所が沢山あるんだろう。
それでも何かを得ようと一生懸命話を聞いてくれる、しゅーちゃんの誠実さが嬉しかった。
だから…
田中さんから貰った言葉をしゅーちゃんにもお裾分けしたんだ。
「しゅーちゃん。
幸せは他人に作ってもらうモノじゃなくて、自分で作り上げて行くモノなんだって。」
そう言った瞬間。
彼はハッとしたような表情にガラリと変わる。