君を想うとⅢ~True love~
しゅーちゃんがポケットから出したもの
それは…
淡い水色のアクアマリンと小さなダイヤが埋め込まれた指輪と、黄色いクマのプーさんのついた可愛いストラップだった。
「ホントは…
沖縄で渡そうと思ってたんだけどな……。」
しゅーちゃんは苦しそうにそう笑うと、私の左手をそっと手にとった。
そして当たり前のように
まるで映画のワンシーンかのように
私の薬指にその指輪をそうっとすべらせる。
「よかった。
サイズはぴったりだな。」
その指輪は照明の光を浴びてキラキラと輝いていた。
どこかのセレブや芸能人が身につけているような大きなダイヤのついた仰々しい指輪ではなく、シンプルな指輪。
しゅーちゃんらしいセレクトの指輪。
どちらかと言えばこういうシンプルなデザインの指輪は好きなんだけど…、それでもこんな高価なモノ貰うワケにはいかないよ。
そう思って。
「あの…、しゅーちゃん……。」
丁重にお断りしようと、指輪に手をかけると。
しゅーちゃんはその手を制止して…、私の手をギュっと握りしめるとまっすぐに私を見つめてこう言った。
「高宮伊織さん。
俺と…結婚してくれませんか??」