君を想うとⅢ~True love~
なのに…
「うん♪内野さん、よく資料まとまってる。
見やすいし…頑張ったね。」
「ホントですか!!??
嬉しいです、部長!!!」
「うん。じゃあ…ご褒美にキスしてあげるよ。」
「いや~んっ!!部長のエッチ~!!!!」
今は遠くで彼の笑顔を見てるだけ。
私以外の人に笑いかける桐谷慎を見つめることしか…今の私にはできない。
ハァ~……。
心の中が嫉妬でドロドロのグチャグチャだ。
こんな風に見てるだけしかできないって…なんてツライんだろう。
今さらだけどさ。
避けられてるコトがわかってるのに、アプローチをかけるって…すごく大変で勇気のいることなんだね。
しゅーちゃんを好きだったあの頃。
桐谷慎は私がどんなに“キライだ”って言っても“好きだよ”という口撃の手をゆるめなかった。
グイグイと攻め込んで
いつの間にか私の心に入り込んで
私のカラダごと私の全てを奪って行った桐谷慎。
今さらながら…
彼の行動力には脱帽してしまう。