君を想うとⅢ~True love~
エレベーターで地下まで下がって資料室ゾーンへの最初のロックを解除すると、私は迷うことなく一番奥にある広報部資料室を目指す。
一番奥にある、グレーの扉の前で思いっきり深呼吸をして、私は電子ロックを解除した。
ピッ
という解除音が聞こえたあと、ガチャリと扉のカギが開く音が聞こえる。
この先には…桐谷慎がいる。
桐谷部長じゃなく、ただのオトコ桐谷慎がいる。
うぅ~、まずい。
ドキドキしてきちゃったよ!!!!
あんなに意気込んで来たくせに、いざとなったらこんな風になっちゃうなんて。
早くなる動悸に
熱くなる頬
期待に膨らむ心の中
ああ…ダメだ。
やっぱりあたしはダメだ。