君を想うとⅢ~True love~
灰色の重い扉をガチャリと開けると…
目の前にいるのは、天使の顔したドSな悪魔。
ドS悪魔はなにやら分厚いファイルと難しい顔をしながらにらめっこを続けていたけれど。
「桐谷慎…。」
私が声をかけると
「……なんだ、高宮。
もう来ちゃったのか。」
桐谷慎は風のようにフフッと微笑む。
「どうした?何か用があったのか?」
いつもと変わらない爽やかな仮面を被った笑顔で尋ねられて
「あ……、早坂さんから資料が届いて……」
…挙動不審に答えると
「あ~。アイツ午前中までにFAXしろって言ってたのに~。」
イラッとした表情を作りながら、桐谷慎は私の近くへと歩み寄る。