君を想うとⅢ~True love~
「うん。じゃあ状況がわかりしだい伝えてくれ。」

『はい、わかりました。』



悪魔で冷静な二人が電話を切った後。




「ま…。しばらくはこのままってコトらしいから…。
落ち着いてお茶でも飲もうか。」



そう言って。
桐谷慎がニッコリと微笑む。




「はぁ?無理だよ。
真っ暗でお茶っ葉がどこにあるのかすらわからないんだよ??」



のんきな彼に半ば呆れながら反論すると



「大丈夫。
ケータイの明かりを懐中電灯代わりに使えばいいだけだから。」



そう言って。
彼は手を伸ばして、私の右手を優しく握りしめた。




「行こう?高宮。
俺はお前の入れたキリマンジャロが飲みたい。」




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