君を想うとⅢ~True love~
「ま…、伊織ちゃんはそういうお子ちゃまな所がカワイイんだけどねぇ…。」
目に浮かんだ涙をふき取りながら、桐谷慎はそう言って。
いとおしそうな瞳をして私の頭をペシンと叩く。
――え……??
桐谷慎の突然の行動に驚いて彼をジッと見つめていると。
「まったく。
無意識に二股かけられるくらい図太い神経してる女なクセに。」
桐谷慎は私の瞳を見つめ返すと私のオデコをピンッと弾いた。
「いたっ!!」
「……ったく。
答えも出てないクセに。
俺を繋ぎ止めたいが為だけに、SEXに誘うぐらいズルくてイヤな女なクセに。」
そう言って。
桐谷慎は私のホッペを両手でギュイ~っと引っ張る。
「いひゃい!!いひゃいよっ!!(イタイ!!イタイよ!!)」
「ウルサイ。
言っとくけどね。俺が高宮につけられた心のキズはこんなもんじゃないんだからな??
こんな痛みはガマンしなさい!!」
そう言って。
桐谷慎は私のホッペを縦にギュイっ、横にギュイっ、と思いっきり何度も引っ張る。