君を想うとⅢ~True love~
きっと…しゅーちゃんは、私の全部を好きなワケじゃない。



悲しいけれど
気づかないフリをしていたけれど。


しゅーちゃんへの気持ちは…恋であって、愛じゃない。






きっと私はしゅーちゃんのコト、何も知らないんだと思う。


お日さまみたいな笑顔と、爽やかでみんなの憧れのキレイなしゅーちゃんしか私は知らない。


きっとしゅーちゃんも、私の奥に隠れたズルい私を何も知らない。


お互いにそんな汚い部分は見ようともしなかったし、見せようともしなかった。






なんでだろう。
桐谷慎にはこんなにも自分をさらけだせるのに、しゅーちゃんには絶対にこんな私を見せられない。






“幻滅されたくない”







自分をわかってもらいたい気持ちよりもその気持ちの方が勝つ。




きっと…お互いそうなんだ。
しゅーちゃんも私もお互い相手に汚い所を見せられない。



好きだけど…
しゅーちゃんのコトは好きだけど、きっとそれは何かが違う。






たぶん、しゅーちゃんは私にとって“憧れの人”にしかすぎないんだ。






“憧れてやまない、理想の男の人”





それはテレビの中の芸能人に憧れる気持ちと似ているかもしれない。



きっと…しゅーちゃんも同じなんだと思う。







私としゅーちゃんの恋は現実的な生々しい恋じゃなく、あくまでも憧れの中の夢のような淡い恋。




恋に恋して…
お互いを見ることは決してできない。







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