君を想うとⅢ~True love~
バカだね。
今さらそんなことに気づくだなんて。
あの日、あの時、あの場所で、私は確かに桐谷慎を選んでいたはずなのに。
バカな私はそんなことすら忘れて悩んでいただなんて。
は~ぁ。
考えなくても答えなんて初めからでてるじゃないか。
私があの時選んだんだのはドSな悪魔、桐谷慎。
悩んだよ?
確かに悩みましたよ?
桐谷慎を選んだ時には悩んださ。
水島さんと赤ちゃんからしゅーちゃんを奪うわけにはいかないから!!とか。
正直、理央の気持ちを知ってからは、余計に自分の気持ちがモヤがかかったみたいに、ますますわかんなくなってしまった。
しゅーちゃんへの気持ちが憧れなのか純粋な好きなのか、状況が複雑すぎて考えすぎたらわかんなくなってきて。
過去の自分が大きく顔をもたげて、今の自分を完全に見失ってた。
ごめんね、桐谷慎。
こんなフラフラしてる私、イヤだったよね??
許せなかったよね??
なのに…
私を信じて手を放してくれてありがとう。
待っててくれて、ありがとう。