君を想うとⅢ~True love~
高宮、俺のことが欲しいなら死にもの狂いで俺に向かってこい。
寂しいだけじゃイヤだ。
俺が可哀想だからと同情されるのは、もっとイヤだ。
もっと俺を求めて欲しい。
藤堂というクッションがなくても気にならないくらい俺だけを。
……なんてな。
ちょーっとカッコつけすぎたかなぁ。
俺はフェンスにもたれかかって、くわえタバコのまま空を見上げる。
屋上から見える空はどこまでも澄んでいて、雲が手に届くほど近くに感じた。
そんなフワフワな雲は、高宮の心のように思えた。
掴めそうで掴めない。
近くにいそうで遠くにあるアイツの気持ち。
アイツのカラダだけじゃなく心まで欲しいと思うことは…
雲を掴むのと同じくらい難しいことのように思えてならない。