君を想うとⅢ~True love~
俺は…、龍を救ってやることができなかった。
アイツがあんな風に自分を追いつめてしまうまで、アイツの心の変化に気づいてやることができなかったんだ…。
それは…
今、後悔しても仕方のないことだ。
だって時間は戻らないから。
イブがいて、龍がいた、あの幸せな時間には戻れない。
それなら、その残された後悔は、自分の中で何度も何度も後悔を噛み砕いて。
1つ1つゆっくり飲み込んでいくしかない。
だけど…理央ちゃんは違う。
藤堂と高宮の行動1つで、彼女を救ってやることができるハズなんだ。
「藤堂。
気づかないフリはもうやめろ。ちゃんと向き合ってやれよ、理央ちゃんに。」
「…え…??」
「誤魔化すな。
お前の言動の1つ1つが、お前の想像以上に理央ちゃんを翻弄させている。それはちゃんとわかってるんだろう?」
そう呟いてアイツの肩をポンと叩くと。
「頑張れよ、ライバルくん♪」
ニッコリと笑って地下の資料室を後にした。