君を想うとⅢ~True love~



田中さんへの引き継ぎを終えて、伊織のデスクを見るとアイツは何やら忙しそうにパソコンや資料とにらめっこ。



こうやってオフィスにいる伊織だけみると、才色兼備の“できるオンナ”だけど…ホントのアイツは可愛いモノが大好きで、奥手で乙女ちっくな女の子らしい女の子。





そのギャップに気づいてるヤツは少ないだろうけど…
アイツの横顔や笑顔を見るたびに、やっぱり俺はコイツが、どストライクなのだと思い知る。





酷い男なのは100も承知だ。
一ノ瀬の気持ちを知っていながら、半ば無視する形で自分勝手な恋愛を続けてんだからな。







だけど…







イイヤツぶるのはイヤだから、この際ハッキリ言ってやる。







俺が幸せにしたいのも
手に入れたいのも、伊織だけ。


欲しいのも、
胸が苦しくなるくらい好きなのも伊織だけ。




正直…、俺は伊織以外のオンナはどうでもいいんだ。






アイツを手に入れられるなら何を捨ててもかまわない。




アイツが俺の隣にいてくれるなら、なんでもする。
俺の隣で俺の為だけに笑ってくれるなら、それだけでいい。






バカなオトコなのも
幼稚な言い分なのも、100も承知だ。







だけど部長だってそうだろ?
部長だって伊織を手に入れる為には手段を選ばねぇオトコじゃねぇかよ。







偉そうに説教垂れてたけど結局の所は、俺と部長は同じ穴のムジナだろう。



ちがうか??





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