君を想うとⅢ~True love~


俺はジョッキに残っていたビールを一気に飲み干して


「ビールおかわりっ!!」


ドンッと勢いよく祐吾にジョッキを突きつける。




するとハァ~とため息を吐いた後



「ハイハイ。その様子だと全く意味がわかってねぇみたいだから、この際ハッキリ言ってやるよ。」



祐吾は俺をジロリと睨んだ。







「お前が優しいのも誠実なのも伊織ちゃんにだけだな。」


「は?なんだよ、それ。
俺そんな風に生きてるつもりなんて毛頭ねぇよ。」





鋭い祐吾の眼光に負けじと睨み返すと




「アホか。お前は真っ直ぐで正直に生きてるつもりかもしをねぇけどな。
秀人。お前は狭い視野の中で自分勝手に自己中に生きてるだけだろ。」



そう言って。
祐吾は乱暴にジョッキを奪ってサーバーの方へと不機嫌そうに歩いて行った。




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