君を想うとⅢ~True love~
「俺はお前を選ばなかった伊織ちゃんの選択に乾杯するよ。」
「はぁ!?なんだよ、それ!!」
納得のできない俺の質問に、祐吾はフンと鼻を鳴らしてこう言い放った。
「秀人、そんなお前じゃあの子を幸せになんてできやしねぇよ。」
「は!?意味わかんねぇ!!!
なんでそんなこと言うんだよ。
俺に納得のいく理由を言えよ!!!」
祐吾に俺と伊織の何がわかるっていうんだよ!!
別に俺は伊織が部長のコトが好きだろうが、誰を好きだろうがどうだっていい。
でも…
アイツへの気持ちを侮辱されることは許せねぇ。
殴りかかってやりたい気持ちを圧し殺して祐吾につっかかると
「お前、あの子のコト何もわかってねぇじゃねぇか。」
「そんなことねぇ!!
俺はずっとずっと伊織だけを見てきたんだ!!アイツを好きな気持ちは誰にも負けねぇ!!
伊織のコトを一番知ってるのはこの俺だ!!!!」
「じゃあ聞くわ。
お前あの子の優しさに隠れたズルさやしたたかさを見ようとした時あるか!!!???」
祐吾は鋭いナイフのような瞳をして俺の瞳をジィっと見つめた。