君を想うとⅢ~True love~
アイツのズルさや、したたかさ……??
祐吾の問いかけてる意味が全くわからねぇ。
伊織は俺と部長を天秤にかけるような悪いオンナだけど…。
別に俺は気にならねぇ。
だって…桐谷部長はあの通りのイケメンで、男が惚れそうになるくらいのいい男なワケで…。
そんな人に言い寄られたらグラつくのも、恋に堕ちてしまうのも、当然な気がする。
伊織のズルさやしたたかさ…?
そんなものアイツから感じたことねぇ。
アイツはいつだって可愛い妹で可愛い女の子。
顔も性格も俺のどストライクな理想の女。
俺は今までアイツを嫌いだと思ったことなんて一度もない。
だから…祐吾が言っている言葉の意味がさっぱりもって理解ができなくて。
「伊織にはそういうダメな部分あるのかもしんねぇけど…俺は全く気になんねぇわ。」
誠実に
真剣に
祐吾にそう答えると祐吾は
「気にならないんじゃなくて、見ようとしなかっただけだろ…。」
ため息まじりに呟いた。