君を想うとⅢ~True love~
な~んて。
深く考えてるワケじゃねぇんだけど、そのスタンスの距離感が俺にとっては心地いいんだよな。
せっかく縁あって知り合えたんだから、嫌い合うなんてイヤじゃん?
人間関係で悩むのってなんかバカらしいし……。
俺は人のイイトコだけを見て、毎日を過ごしたいんだよ。
だからイヤなトコにはフタしてカギかけて、気づかないフリをしていたい。
だけど……
よくもわるくもそれは俺の欠点でもある。
「エグッたな?」
「はあ?何をだよ。」
「お前……サクッと涼しい顔して人の傷口をエグッたな?」
「…でも事実だろ?」
「…う゛っ…!!!!」
祐吾は涼しい顔して言い切ると、タバコの煙をくゆらせながら
「お前は人のイイトコしか見ようとしない。
それはお前のいいところでもあるけど、それって生身の人間から逃げてるコトにはならねえか?」
そう言って。
祐吾はまっすぐ俺を見据えた。