君を想うとⅢ~True love~
だからよっぽど悔しかったんだろうな。
「くそぅ…。料理酒は飲めないし…っ!!!」
とかブツブツ言いながら、心底悔しがってる理央が気の毒で
「じゃあコンビニまでひとっ走りしてくるよ。」
と理央の肩を叩くと
「伊織~っ!!愛してるっ!!」
理央は大げさにハグをしてくる。
「500を2本でいい?」
「ダーメ。500を4本買ってきて!!」
「オッケー、500を4本ね。」
そう言って、カバンからサイフだけを取り出して玄関を飛び出して。
アリストコートのエントランスを抜けてトコトコ歩いていると
「アレッ!?高宮?」
真正面から歩いてきた誰かに不意に声をかけられた。
驚いてハッと顔をあげると…
「えっ??!!桐谷慎!!??」
そこにいたのは…桐谷慎。
偶然にも…
久しぶりに私は帰宅途中の桐谷慎と遭遇したのだった。
「なんか買い物?」
興味津々に訊ねる桐谷慎に
「うん。ちょっとそこまでビールを買いにね。」
と答えると
「高宮と理央ちゃんは相変わらず飲んべえだねぇ。」
と呆れたように笑う。