君を想うとⅢ~True love~
「きっと彼は役職どうこうよりも自分がどんな仕事をしたのか、それはやりがいのある仕事だったのか…が重要なんだろうね。」
「うむ。元々アイツはやりたい仕事がやりたいだけのワガママ小僧だからな。」
そう言って。
ダブル田中は顔を見合せてニッコリ笑う。
「コレは僕の予測だけどね。今回の会議……。
彼が昇進のお誘いを断り続けてダダをこねてるから、大変なコトになってるんだと思うよ?」
えぇぇぇーーー??!!
そんな幹部クラスの昇進を断るコトなんて出来んのか!!??
つーか、あの人ワガママすぎるだろう!!!!
話のスケールがデカすぎてポカーンと口を開けっ放しの俺。
そんな俺の肩をポンッと叩くと
「桐谷部長は異星人の変わり種。
俺たち凡人にはあの人の思考回路はわからんよ。」
そう言って、田中課長はニッコリ微笑む。
「お前はお前のペースで仕事をすればいい。
サンフランシスコで自分を磨いて、一回りも二回りも大きくなって戻ってくればいいんだ。」