君を想うとⅢ~True love~



「ハァイ♪祐吾。」





カウンターにどっかり座って祐吾に軽く手を振ると祐吾は驚いた顔をして


「理央、今日はまだ金曜日じゃないぞ?」


と、笑う。







「そんなことわかってるわよ。センパイに呼び出されたの。」






メンソールのタバコに火をつけながら答えると祐吾は呆れたように笑う。








「理央って遊び人なクセに秀人だけには従順なんだな。」


「うるさいわね。
遊び人じゃなく恋多き女と言って。」


「はあ?何言ってんだ。
オマエは経験した人数が多いだけで本気の恋は秀人しかしたことねーだろ?」



「その言葉。
そっくりそのまま返すわ、祐吾。」








私と祐吾はよく似てる。

考え方も行動も。







ただ…

彼は長年の片想いを実らせて、幸せいっぱい。

私は相変わらずの片想いで気苦労がいっぱい…ってトコは違うけどね。



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