君を想うとⅢ~True love~
そう言って。
柔らかに微笑みながら、俺の頭をナデナデする伊織。
「…ククッ」
なんだこりゃ。
最後の最後なのに、アプローチ失敗かよ。
「…フフッ」
「バカ、笑うな。」
そう言って伊織のデコをデコピンした瞬間。
俺たちは目を合わせると…
「「アハハハハっ!!!!」」
大声で腹を抱えて笑い始めた。
「藤堂くーん??!!」
「高宮センパイ~っ!!??」
未だに大声で俺たちを探し続ける2人に
「ハイハイ!!今行くから待てっつーの。」
小声で悪態をついて、立ち上がると
「フフッ。人気者は大変だね。」
そう言って。
伊織もスカートの裾をパンパンと払いながら立ち上がる。
「こんなのは不本意なんだけどなぁ。」
フゥ~とため息を吐いて遠くを見つめると
「仕方ないよ。
しゅーちゃんはみんなの太陽だから。」
伊織は突然、そんな頭のカユイコトを言い始めた。