君を想うとⅢ~True love~


「いお…り……」



突然見せた、アイツの真剣な表情に驚いて固まっていると





「しゅーちゃんのまっすぐな所、優しい所、明るい所…。全部全部大好きだった。
しゅーちゃんみたいに輝きたくて、早く追い付かなきゃ…って…、いつもいつも思ってた。」






あくまでも過去形で。
俺の女神は無邪気に残酷な言葉を紡ぐ。






は~ぁ…、わかってたツモリだったのに正直キツイ。







なぁ、伊織。
俺はお前にとって憧れの、想い出の中のオトコにしかなれないワケ??


生身の
ただ一人の“藤堂秀人”として。

藤堂秀人ってオトコとしては、どうやったって見てもらえねぇのか……??








好きなのに

こんなに苦しい程に好きなのに。








なんでオマエは俺を見てくれない…??









無邪気に、残酷に、俺に絶縁状を叩きつけようとする伊織が憎らしい。





可愛くて

愛しくて

愛しすぎて、憎しみが倍になる。








伊織の腕をグッと掴んで、おかしな言葉を吐き出してしまいそうになった瞬間。






「藤堂くんー!!??」








……っ!!!!!!!!









田中さんの声が俺たちのいる、すぐ近くで響いた。





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