君を想うとⅢ~True love~
「祐吾、ジンライムちょうだい。」
「オッケー。」
祐吾にジンライムを注文して、タバコの火をグリグリ消していると。
「早いな、一ノ瀬。」
あたしの大好きな人。
好きで好きで、どうしようもないくらい好きな人
藤堂センパイがあたしの肩をポンと叩いた。
センパイが来てくれたこと
今日、あたしをココに呼び出してくれたこと
それがたまらなく嬉しいのに…。
どうもあたしは彼の前では可愛くなれない。
「ありがと。
だけど呼び出した本人が遅刻ってどうかと思うわよ?」
なーんて、
可愛げもクソもない言葉を吐いてしまう。
こんな時、伊織なら
“しゅーちゃんを待ってる時間も楽しいから”
とかなんとか言って、藤堂センパイの心を更に鷲掴みするんだろうな。
まったく。
それが計算じゃなく天然だから始末に終えない。
あんな生き物に始終ウロチョロされてたら、センパイがオチるのも無理はないと思えた。