君を想うとⅢ~True love~
そんなあたしの悪態をフフッと笑うと
「祐吾!!俺、ビールな!!」
センパイはあたしの隣に腰を降ろして、ポケットからタバコを取り出す。
彼がタバコを口につけた瞬間、ライターに火をつけ彼に差し出すと
「すげ~な…。
一ノ瀬、火をつけるタイミングがカンペキすぎ…。」
センパイはライターの火を見て呆れたように笑う。
「当たり前でしょ。
あたくし、一ノ瀬理央はクラブ・アリストコートのNo.1ホステスですから。」
ニッと笑ってウィンクすると“敵わねぇな…”と呟いてセンパイがタバコに火をつける。
目を細めながら
いつものおちゃらけた顔じゃなく
セクシーなオスの表情を見せて、私の手の近くへと顔を寄せる彼。
あぁ…
キスする時もセンパイはこんな顔をするに違いない。
伏し目がちな彼の表情
どんどん近づく彼の唇
ただタバコに火をつけているだけなのに。
いかがわしいことなんて何一つしていないのに…、ドキドキする。
初めて見たセンパイのオトコの表情にドキドキする。