君を想うとⅢ~True love~
冷蔵庫からイチゴジャムを取り出して、
マグカップにポンと入れた紅茶に熱~いお湯を注ぐ。
2・3分置いた後、その紅茶に大量のイチゴジャムを投入してひたすら混ぜる。
「ぷは~、甘い。」
紅茶に専用のイチゴジャムを入れて飲む、ロシアンティー。
コーヒーの飲めない私は紅茶が大好き。
このロシアンティー用のジャムは…
理央がロシア料理専門のお店で買ってきてくれたモノ。
『伊織、紅茶好きでしょ??
このロシアンティー用のジャムおいしかったから買ってきちゃった。』
そういって渡されたイチゴジャム。
一口飲んだらハマッてしまって…、今では我が家の常備ジャム。
「おいし~。」
緊張とストレスで重くなっていた体と心が、ロシアンティーの自然な甘さに一瞬ゆるむ。
強くて
優しくて
しなやかな、理央。
私ね?
高校生の頃、しゅーちゃんは理央のことが好きなんだ…って勘違いしてたの覚えてる?
理央の隣にいるしゅーちゃんは、いつも自然で、楽しそうで…
いっつも私は理央を羨ましいと思ってた。
彼の隣がよく似合うアンタが、羨ましかった。
でもね??
今も思うの。
理央としゅーちゃんは、お似合いの二人だな……って。