君を想うとⅢ~True love~
こんなコト言ったら理央にはぶっとばされそうだけどね??
私はいつも、しゅーちゃんの隣でいつも自然体でいられる理央が羨ましかった。
だって私は…
どうしてもしゅーちゃんにはウソをついてしまうから。
あの頃の私も、
今の私も、
しゅーちゃんに自分のすべてをさらけ出すことがどうしてもできない。
彼が信用できないから…とかじゃないんだよ??
なんというか……
私は彼を好きすぎて、自分をさらけ出すことができないんだ、昔から。
しゅーちゃんは私の初恋の人。
告白もキスも“つきあう”って行為も、すべてが初めての人。
付き合うというイミも、
付き合う中での過程も、
成長も知らないままに、大好きでたまらない人と付き合ってしまった。
しゅーちゃんと出会ったのが“今”だったなら、きっと私はカレにきちんと向き合う勇気が持てたと思う。
だけど……
あの頃の私はすべてをさらけ出す勇気を持てるほどは大人じゃなくて…。
初めて想いを通じ合えた、大切な人に嫌われないように、イヤな自分を隠すことで精一杯だった。
イイコの伊織
そう思ってもらえるように、することで精一杯でワガママも、弱みも、何一つ、しゅーちゃんにさらけ出すことができなかった。
好きで、好きで、それしかなくって。
もてあました自分の感情をどうコントロールすればいいのかわからないくらいに彼に溺れて、どうしようもないくらいに、恋に落ちていたから。
だから私は…
彼に嫌われないようにイイコでいるくらいしか、カレをつなぎとめる術(すべ)がわからなかった。