君を想うとⅢ~True love~
桐谷慎はピシッとした高モノのスーツがよく似合うけど、しゅーちゃんはこういう服がよく似合う。
「可愛いね、この巻きモノ。」
クスクス笑いながらストールを手に取ると
「だろ??今んとこ、コイツは俺の一番のお気に入り♪」
しゅーちゃんは嬉しそうににっこりと笑う。
そして私の顔を見てにっこり微笑むと
「でも・・、俺が話したいことはソレじゃねぇ。」
そういって、私のオデコをピンッと弾く。
「伊織、お前の言う“答え”ってヤツはもう決まってるんだろ??」
しゅーちゃんの切り出した、一直線な問いかけに私は戸惑いながら「うん。」と答える。
そんな私を見て安心したようにフッと微笑むと
「じゃあ…、聞かせてくれ。
伊織、お前は誰を選ぶ??
俺か??部長か??
余計な言い訳なんてしなくていい。
ハッキリお前の口から、お前の選んだ答えを聞かせてくれ。」
そう……、問いかけた。