君を想うとⅢ~True love~
「伊織…。」
ひどく傷ついた瞳をして、私の名前を呼ぶしゅーちゃん。
「私、しゅーちゃんの優しさが好きだった。
いつも甘やかせてくれる、その優しい腕が好きだった。
だけどね??
私の全部を受け止めてくれない、認めようとしてくれない、その優しさが…いつも私は怖かった。」
そんな彼に私は決定的な一言を投げつける。
伝えている言葉のひどさに苦しくなって。
ハァと小さくため息を吐くと、
彼は私の左腕をギュっとつかんで、燃えるような瞳をしてこう言った。
「なんだよ、それ。
優しさが怖いって何なんだ?!
俺だってお前の全部が好きだよ。伊織!!
部長になんて負けねぇくらい、俺はお前を愛してる。」
「しゅーちゃん……」
「俺はお前のズルさも弱さも気づけねぇくらいの鈍感オトコだけどな。
お前の全部を受け止められるくらいの度量はあるぞ。」
いつも穏やかな彼。
優しい笑顔を浮かべながら私に話しかけてくれる彼が、ギラつく刃(やいば)の剣先のように鋭い瞳を私に向ける。
「お前はを私を見てくれないってぼやくけどな!!
おまえが望むならいくらだって見てやるよ。
どんなに汚れてたって、醜くったって受け止めてやる。
どんな伊織でも受け止めてやれる自信が、俺にはあるぞ!」