君を想うとⅢ~True love~

弱い自分が許せない。
こんなときにオンナを武器にしているような自分が情けない。



そんな自分が歯がゆくて……
流れる涙を右手でグッとぬぐうと




「…今泣くのは反則だろ、伊織……。」



そう力なく呟いて
しゅーちゃんは私の左手をゆっくりと開放する。





そしてハァ…と深くため息を吐いた後、ポケットの中からタバコを取り出してシュッとゆっくり火をつけた。





ユラユラと空に消えていくタバコの煙。
しゅーちゃんが吐いているのはため息なのか、ただの煙なのか……。




それはどちらなのか、私にはわからない。




でも、私達に残された時間はもう残りわずかで…




あれだけ恐れていた、しゅーちゃんとの最後の時が迫っているのだけは、よくわかる。






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