君を想うとⅢ~True love~


ビルに囲まれた空を見上げながら…
どれくらいそうしていただろう。




永遠にも感じられるその時間は


「伊織。最後に一つだけ質問していいか??」


しゅーちゃんの言葉とともに、ふんわり、ゆるやかに、溶けていく。





ズルイ涙をぬぐいながらコクリとうなづくと


「俺と部長……。
どっちを選ぶか悩んでくれたか??ちょっとだけでもいいんだ。
悩んだかどうかだけ……、聞かせてくれないか??」


しゅーちゃんは私にそんな質問を投げかけた。






「もちろん…でしょ??
悩んだよ。すごくすごく、悩んだよ。
苦しいくらい…悩んだよ。」






そう…
言葉少なに伝えると、しゅーちゃんはフッと力なく笑って



「そっか……」



とだけ、つぶやいた。





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