君を想うとⅢ~True love~



涙と鼻水でグチャグチャの顔。



おしゃれなこの街には似つかわしくない、カッコ悪いくらいにボロボロの私。



さっきから“何!?この泣き女!”って顔した人たちが、私の顔をジロジロ見てる。





――うぅ…、視線が痛い…。





見知らぬ皆様の視線にさすがにいたたまれなくなってきた私は。

涙を拭って、ツカツカとブーツのかかとを鳴らしながら、その場を後にすることにした。







歩いている道すがら、ふと時計を見ると時計の針は15時45分。




永遠にも感じられた、しゅーちゃんとのあの攻防は…
時間にすればたった30分のコトだったらしい。



たった30分。
だけど私にとっては、人生の道筋を決める程、大切な大切な時間だった。




それがどんなに悲痛な叫びを生み出した時間だったとしても。





私としゅーちゃんには、きっと必要な時間だった。



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