君を想うとⅢ~True love~



ありがとう、桐谷慎。



私としゅーちゃん。
恋の終着駅にどうしても立つ勇気のなかった、意気地無しな二人。


どこか答えを出すことをためらって、怖がって、今まで見てみぬフリをしてきたけれど…


今、やっと。


私たち二人はスタートラインに立てた気がする。





キレイで、儚くて、夢みたいに甘い恋。

忘れたくても忘れられなかった、私の一番大切だった恋に、やっと終止符を打てた気がする。






ありがとう、桐谷慎。







私にそのチャンスをくれたのは、あなただね。


あなたがあの時に手を放してくれたから、私は今ここに立てている。






――彼に…早く会いたい。







今、彼が目の前にいたら、全速力で側に駆け寄って、ギュッて思いっきりハグしてやる。



それで…
あの薄い唇にいっぱい濃厚なキスをお見舞いしてやるんだ。





そして耳元でこう囁くの。



『私が愛してるのは…
桐谷慎。
あなた、ただ一人です。』



って。




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