君を想うとⅢ~True love~
「あ~っ、しんちゃんのボールが~!!」
足元のボールを拾うと、2歳くらいのかわいい顔した男の子が私の方にテクテクと歩いてきた。
――ふふっ。かわいい。
ボールを追いかけるその姿が愛らしくて。
「はい、どうぞ。」
とボールを渡すと男の子はにっこり笑って
“ありがとう、おねえちゃん”
と微笑んだ。
男の子の後ろからは笑いながら、歩いてくる優しそうなお母さんとお父さん。
「しん、ちゃんとお礼言ったのか??」
「うん!!しんちゃん、ちゃんとありがと言った!」
“しんちゃん”と呼ばれた男の子はニコニコしながらお父さんに報告をする。
そしてお母さんは私にペコリとお辞儀をすると
「ありがとうございました。」
と、にっこり笑って御礼を言った。